治療中に痛みを感じることもなく安全安心
オゾンの殺菌力を活用した治療法
さきほどは虫歯治療について大きく3段階に分けて解説しましたが、「虫歯治療は痛い」「歯を削られるのが怖い」「歯茎に麻酔を打たれて抜歯するのが怖い」といった先入観をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
その不安と恐怖を払拭するためにも、歯を削らずに神経を抜かずに済む治療法あることをお伝えしましょう。近年は歯科医学と治療法が急速に進歩しており、歯を削る代わりに殺菌作用のあるオゾンを活用して治療を施すことも可能となりました。「削らない虫歯治療」の代表格として、ヒールオゾンと呼ばれる治療法があります。塩素よりもさらに強い殺菌力のあるオゾンを虫歯の部位にあてるというシンプルな治療法です。
歯を削る必要がないため、新道や音を気にする必要もなく、治療中に痛みを感じることもまずないでしょう。
このヒールオゾン治療法は海外で研究開発されたもので、今では日本国内でもポピュラーになりつつあります。
安全性の高い治療法
「歯を削らずに済むヒールオゾン治療法を受けたいけど、オゾンの成分は安全なのか」と不安に感じる人もいるようです。
塩素と比較すると数倍もの殺菌作用が期待されていますが、口腔内に挿入することを考慮して安全性には十分にこだわっています。虫歯治療でヒールオゾン治療法を受ける場合、所要時間は長くても60秒程度、暗射されるオゾンの成分自体には毒性や危険性はなく、安全性の高い治療法です。虫歯治療の痛みや、治療に使われる機器の音や新道が苦手な方に、ヒールオゾン治療法は適しています。もちろん麻酔などの注射を打たれることもなく、短時間で治療が終わるので、精神的な負担を和らげることができます。
ヒールオゾンでは虫歯になった部位に対して殺菌作用をもたらすことはもちろん、歯周病菌の予防対策としても効果が期待されます。虫歯が進行して神経を抜く必要がある場合でも、ヒールオゾン治療法が使われるシーンも多いです。
ヒールオゾン治療法とは?

ヒールオゾン治療法は、オゾンガスを使用して歯や口腔の様々な疾患を治療する歯科治療法の一つです。オゾンは酸素よりも活性が高く、抗菌・抗ウイルス・抗真菌の効果があります。ヒールオゾン治療法は、これらの特性を利用して口腔内の細菌や感染症の原因を除去し、歯や口腔の健康を改善することを目的としています。
ヒールオゾン治療法の主な特徴や利点は以下の通りです:
- 抗菌作用:オゾンは広範囲の細菌、ウイルス、真菌に対して強力な抗菌作用を持ちます。口腔内の細菌や感染症の原因となる微生物を効果的に排除することができます。
- 虫歯治療:ヒールオゾン治療法は、初期の虫歯治療にも使用されます。オゾンガスを虫歯の部分に照射することで、虫歯の進行を止めることができます。
- 根管治療:根管治療中にもヒールオゾン治療法が利用されることがあります。オゾンガスを根管内に導入することで、根管内の菌を除去し、感染の再発を防ぎます。
- 歯周病治療:ヒールオゾン治療法は歯周病治療にも応用されます。オゾンガスを歯周ポケットに導入することで、歯周病の原因菌を除去し、歯周組織の再生を促進します。
- 非侵襲的治療:ヒールオゾン治療法は非侵襲的であり、麻酔や切削を伴わずに治療が行われます。これにより、患者の不快感や痛みを最小限に抑えることができます。
ただし、ヒールオゾン治療法は一部の歯科医療機関でのみ提供されているため、全ての歯科医院で利用できるわけではありません。治療の適応や詳細な方法は、専門の歯科医師と相談することが重要です。歯科医師は患者の状態に合わせた最適な治療プランを立案し、治療の利点やリスクについて詳しく説明してくれるでしょう。